
私が通っていたオフトレ施設の何割かは、もうありません。
室内ゲレンデに入り浸っていたのは15〜20年ほど前。スノーヴァ溝の口、スノーヴァ羽島、アクロス重信——このあたりは、もう閉まりました。今も通えるのはスノーヴァ新横浜くらいです。
そのあとマットジャンプとウォーターに移りました。最初に行ったのが神戸KINGS、次がO-Air。この2つは今も動いています。ただしO-Airは一度運営が終了し、引受先が決まって復活したクチです。そして最近までよく通っていた茨城のFlyhill——ここは休止中。
つまり、消えるところもあれば、踏みとどまるところも、戻ってくるところもある。
ただ全体として、オフトレ施設は決して増えている感じがしない。これが正直な実感です。
だから2026年8月6日、相模原市緑区に「BOOKOFF SPORTS PARK SAGAMIHARA(ブックオフスポーツパーク相模原)」がオープンしたというニュースを見たとき、素直に「おっ」と声が出ました。しかも圏央道のICから近い。
そして開業に尽力したのが誰かを知って、もう一度「おっ」となりました。C.V.B新井さんです。
今回は公式サイトと地元紙の報道を全部あたって、料金・セッション制の落とし穴・キッカーの実寸まで、行く前に知っておきたいことを全部まとめます。
まず全体像
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | BOOKOFF SPORTS PARK SAGAMIHARA(ブックオフスポーツパーク相模原) |
| オープン | 2026年8月6日 |
| 所在地 | 神奈川県相模原市緑区青山字川音1455 |
| 設備 | キッカー3基(大・中・小)+フリーゾーン |
| 滑走面 | 人工芝「SNOWTURF(スノーターフ)」 |
| 駐車場 | 無料・約100台 |
| 定休日 | 毎週木曜日(祝日の場合は営業) |
| 電話 | 042-816-2012 |
出典:施設公式サイト、タウンニュース さがみはら中央区・緑区版(2026年8月27日)。いずれも2026年9月17日確認。
運営は株式会社ヴィジョナリーバンガード(東京都渋谷区)。そこに、相模原が創業地であるブックオフコーポレーションがネーミングライツで支援に入っています。「ブックオフが!?」と二度見しましたが、地元企業がウィンタースポーツを支える、と考えるとむしろ腑に落ちる体制です。
作ったのは、あの「チョコバニラボール新井」
ここ、当時を知っている方には説明不要かもしれません。
開業に尽力したのは、元プロスノーボーダーの新井昌也さん(47歳・YONEX所属)。「チョコバニラボール新井」、略してC.V.B新井です。
どのくらいの人だったかというと、X-TRAIL JAMのファン人気投票で2007年に1位、2008年に2位。TOYOTA BIG AIRでも結果を残しています。当時「日本最大のスノーボードムービー制作会社」と言われたFirst Childrenに所属していました。
……あの頃、毎年冬になるとDVDを買っていた人、いますよね。私です。
手元にある「ALL FOR ONE」を久しぶりに再生してみたら、出演者クレジットのいちばん最初に C.V.B Arai と出てきました。 そうそう、こういう並びだったな、と。

C.V.B Arai。「デンジャラスマーチ」も持っていましたがどっかに行ってしまいました。誰かに貸したままのような。。
……で、ここからが本題です。
あの「魔王」!!! 覚えていますか!?
当時、私のまわりではとんでもなく流行りました。
黒バックに上半身裸で立ちはだかって、こっちが何をやっても効かない、あの魔王です。
あれ、C.V.B新井さんなんですよ。
今回あらためて最終盤を見返してきました。テロップがこうです。
「効かぬ」
「効かぬのだぁ!!」
「味わうがいい」
「巡るめくアナザーディメンションの世界」
そして必殺技の名前が——「デビルコーク」。
画面いっぱいに「D」の文字が出て、ジャンプするライダーの背後に魔王が炎のように巨大合成され、「フン」の文字が降ってくる。
初めて見たときの衝撃、まだ覚えています。
滑りが日本のトップクラスなのは大前提として、そのうえでこれをやるんですよ。
……真似しませんでした? 私はしました(笑)。リフトの上で友達に「効かぬのだぁ!!」ってやってました。今でも言えます。
その魔王が、2026年に相模原でキッカーを3基作りました。
それだけで、私には行く理由になります。
タウンニュースによると、新井さんは全国のオフトレ施設の運営・開設に携わり、五輪選手の育成にも数多く関わってきたそうです。場所探しは4年前から。圏央道沿いに絞り、「ICに近い」「20m以上の傾斜がある」という条件で青山に決めた、と。
しばらく小布施KINGSにいらっしゃったような記憶がありますが、こんなことを企画していたんですね!
直近でも3D回転やりたくてyoutube探していたら、勇姿を拝見しました。
「競技人口に対して首都圏には練習できる場所がまだまだ少ない。人口が多く、アクセスの良い東京、神奈川でオフトレ施設を作りたい」(タウンニュース 2026年8月27日)
冒頭に書いたとおり、私の通った施設は次々に閉じました。その実感がある身としては、この言葉は重いです。
★行く前に必ず:営業は「セッション制」です
ここを知らずに行くと、普通に無駄足になります。
この施設、1日をA〜Dの4つのセッションに区切って営業しています。受付開始は営業開始の30分前から。
| 枠 | 平日 | 土曜・連休中日 | 日曜・祝日・連休最終日 |
|---|---|---|---|
| 全日営業時間 | 13:30〜22:00 | 10:30〜22:00 | 10:30〜19:00 |
| SESSION A | — | 10:30〜13:00 | 10:30〜13:00 |
| SESSION B | 13:30〜16:00 | 13:30〜16:00 | 13:30〜16:00 |
| SESSION C | 16:30〜19:00 | 16:30〜19:00 | 16:30〜19:00 |
| SESSION D | 19:30〜22:00 | 19:30〜22:00 | — |
(公式サイト・2026年9月17日確認)
注意点が3つあります。
- 平日はSESSION Aがありません。午前中に行っても開いていない
- 日曜・祝日はSESSION Dがありません。日曜の夜練はできない
- 平日の夜19:30〜22:00が滑れる。仕事帰り勢には、これがかなり大きい
そして定休日は毎週木曜日(祝日の場合は営業)。ここ、テストに出ます(笑)。
料金:2セッション以上なら1DAY一択です
税込価格です。
| 種別 | 大人(中学生以上) | 小人(小学生以下) |
|---|---|---|
| 1 SESSION | 3,900円 | 3,400円 |
| 1 DAY | 5,200円 | 4,600円 |
| 追加 SESSION | 1,800円 | 1,800円 |
計算してみると分かるのですが、1 SESSION(3,900円)+追加1セッション(1,800円)=5,700円。
最初から1 DAY(5,200円)を買ったほうが500円安い。
2セッション以上滑るつもりなら、迷う余地はありません。1 DAYです。
レンタルもあります。
| アイテム | 料金 |
|---|---|
| スノーボード板 | 1,000円 |
| バインディング | 1,000円 |
| ブーツ(ボード・スキー) | 1,000円 |
| ボードセット(板・バインディング) | 1,500円 |
| 足回りフルセット(板・バインディング・ブーツ) | 2,000円 |
| スキー(板・ビンディング) | 1,500円 |
| スキーフルセット | 2,000円 |
| ヘルメット | 500円 |
足回りフルセット2,000円は良心的です。手ぶらで行って、滑走券5,200円+レンタル2,000円=7,200円で1日。
ただし公式サイトに「レンタル用品は数に限りがあります。特にブーツはご希望のサイズをご用意できない場合があります」と明記されています。レンタル前提なら早めの到着が安全です。
通うなら長期パス。平日パスは月6日で元が取れます
| 大人(税込) | フリー(全日) | 平日(月〜金) | 土日祝夜 |
|---|---|---|---|
| 1 MONTH | 37,900円 | 27,900円 | 29,900円 |
| 2 MONTH | 56,900円 | 43,900円 | 46,900円 |
| 3 MONTH | 74,900円 | 58,900円 | 62,900円 |
平日パスが1ヶ月27,900円。1 DAY 5,200円で割ると、月6日でペイします。週1.5回ペース。
仕事帰りに寄れる距離に住んでいる方なら、じゅうぶん現実的な数字です。……近い方がうらやましい。心の底からうらやましい(笑)。
小人のパスもあります(1 MONTHフリー33,900円/平日23,900円/土日祝夜25,900円)。
キッカーは3基。サイズが公開されているのが親切
オフトレ施設の情報で意外と出てこないのが、キッカーの具体的なサイズ。ここは公式が数字を出しています。
| 区分 | サイズ | リップ角度 | 公式の説明 |
|---|---|---|---|
| スモールキッカー | 3m | 20度 | 斜度変化が緩やかで、初心者でも安定したテイクオフがしやすい |
| ミドルキッカー | 6m | 25度 | 「飛びやすさ」と「強い地面反発」を両立 |
| ビッグキッカー | 9m | 30度 | ここを飛びこなせれば国内ゲレンデのキッカーはほとんど楽しめる |
フリーゾーンは全幅6.5m、全長31m(コース+エアマット)。
そして初心者の方に伝えたいのがここ。コースからそのままエアマットに繋がっています。
公式サイトの言葉を借りると、「いきなり飛ぶのは怖い」という方は、まずこちらで。着地用のエアマットにダイブして、マットに落ちる感覚を体験できる、と。
これ、本当に理にかなっています。キッカーが怖い理由って、飛ぶことそのものより「落ちたらどうなるか分からない」ことなので。
★本題:私がオフトレでずっと抱えていた不満の話
ここからが、私がこの施設で一番気になっているところです。
15年ほどマットとウォーターに通ってきて、オフトレには明確な限界があるとずっと思っていました。
空中姿勢と回転数は、確実に上手くなります。 これは間違いない。マットでもウォーターでも、飛んで回る練習は普通に積める。
問題は着地です。
マットや水は、着地を「受け止めて」くれません。正確に言うと、ビタ着したときだけ分かる。ウォーターなら水面をしばらく滑走していくし、マットなら立ったままボトムまで降りられる。でもそれ以外は、どう着地してもすぐ倒れる。だから着地の善し悪しが判断できないんです。
結果どうなるかというと、着地が適当になります。 雑に降りても痛くないので、そのまま次を飛んでしまう。
そして冬、雪山で同じことをやろうとすると——着地が怖い。
空中では回れているのに、降りる瞬間に体が構えてしまう。オフトレで積んだはずの成果が、なぜか雪の上では出ない。この経験、マットに通ったことのある方なら分かっていただけると思います。
あと、これは地味に効くのですが、アプローチの恐怖は慣れるしかない。人工芝の助走路は最初どうしても怖いです。そしてアプローチでコケると、人工芝とこすれて火傷は必至。
なのでヘルメットとプロテクターは必須です。マットや水だからといって、変な落ち方をするとしっかり痛い。
夏場は下に水着を着ていくわけですが、プロテクターだけは脱げない。……これがもう、めちゃくちゃ暑いんですよね(笑)。
で、スノーターフはどうなのか
この施設が滑走面に使っているのが、人工芝「SNOWTURF(スノーターフ)」です。フリーゾーンから3つのキッカーまで、全部これ。
新井さんの説明がこうです。
「滑ることに特化した人工芝という感じ。従来の人工芝では速度が出ないが、スノーターフなら雪上と同じ動作で滑ることができる」(タウンニュース 2026年8月27日)
「雪上と同じ動作」。 ここです。私が引っかかっているのは。
公式サイトによると、エッジング性能とコントロール性のバランスを追求した製品で、2方向に動く形状と毛先のくぼみでエッジを捉える構造。踏み込んだときの手応えが雪に近いと書かれています。毛先だけを交換できるので、コンディションも保ちやすいと。
オープン後に滑った利用者の方も「芝が良くてストレスなく滑れる」とコメントしています(タウンニュース)。
もしこれが本当なら、私が15年抱えてきた「着地が適当になる問題」に、ひとつ答えが出るかもしれません。 ターンできる面なら、着地でエッジを使う感覚も練習できるはずなので。
そこを確かめに行きたい。 今のところ、私がこの施設に行きたい理由はそれが一番大きいです。
なおシャワーは2026年9月17日時点で準備中(トイレは男女別のトレーラーあり)。夏場に行く方はこれ、けっこう重要です。完成したら公式サイトとInstagramで告知されるとのこと。
行き方:カーナビに住所を入れても出ません
これは事故る人が出そうなので先に書いておきます。
公式サイトに明記されているのですが、この施設は住居表示のないエリアにあります。そのため公式が案内しているのがこちら。
- プラスコード:
8Q7XH67X+CJ - 緯度経度:
35.5635561621435, 139.2490729584083
駐車場は無料で約100台。圏央道のICから近く、車でのアクセスが前提の施設です。
初めて行くなら、出発前にプラスコードがナビに入るかどうか試しておくと安全です。現地で迷うのが一番もったいないので。
まとめ
- 2026年8月6日オープン。相模原市緑区青山、圏央道IC近く
- セッション制。平日はSESSION A(午前)なし、日曜・祝日はSESSION D(夜)なし、木曜定休
- 2セッション以上滑るなら1 DAY(5,200円)。1SESSION+追加より500円安い
- 平日パス27,900円は、月6日でペイする
- キッカーは3m・6m・9m。フリーゾーンはエアマット直結で「落ちる練習」ができる
- カーナビはプラスコード
8Q7XH67X+CJ
新井さんは「この場所をウィンタースポーツのハブにしたい」「ウィンタースポーツはコストが高く始めにくいイメージがある。それを払拭できたら」と語っています。
私のように15年通ってきた人間にとっては上達の場ですが、それ以上に「初めて板を履く人」が生まれる場所として作られているのが伝わってきます。
そして冒頭に戻ります。私が通った施設は、閉じたところもあれば、踏みとどまったところも、一度終わってから戻ってきたところもありました。
その差を分けるものが何なのか、外から見ている私には分かりません。ただ一つ確かなのは、人が来ない施設は続かないということです。だから新しくできた場所には、できるだけ人が入ってほしいと思っています。滑りに行くことが、そのまま応援になる。
近い方は、今週末の予定を見直してみるのもいいかもしれません。平日パスの元が取れる距離かどうか、一度計算してみる価値はあります。
私も行ける機会を虎視眈々と狙っています。行けたら、スノーターフの感触をあらためて書きます。
料金・営業時間は2026年9月17日時点のものです。変更の可能性があるので、行く前に公式サイトで最新をご確認ください。
出典
- BOOKOFF SPORTS PARK SAGAMIHARA 公式サイト(料金・営業時間・施設仕様・アクセス/2026年9月17日確認)
- タウンニュース さがみはら中央区・緑区版「相模原市緑区の青山にスキー・スノーボードのオフトレ滑走施設がオープン。選手を育て地域貢献めざす」(2026年8月27日公開)(2026年9月17日確認)