【保存版】スノーボード グラトリ技一覧 !初心者向けトリックから高回転・乗り系まで徹底解説!


文字で徹底解説!グラトリ集

この記事を書いた人

Hayate

全国転勤型スノーボーダー。3~4年に一回の転勤により、全国各地のゲレンデ付近に住む権利を与えられた40代。行ったことがあるゲレンデは道央・会津・沼田・白馬・妙高・奥美濃・兵庫を中心に50以上。豊富な経験をもとに効率的にスノーを楽しむコツを発信。
主なスタイル:キッカー・パウダー

「スノーボードを始めたけど、何か新しいことに挑戦したい」 「ゲレンデをただ滑るだけじゃ物足りない。もっとカッコよく滑りたい!」 「でもキッカーは怖そう、パークに入るのも気がひけるし・・・」

そんな風に考えているスノーボーダーの皆さん、こんにちは!

スノーボードの楽しみ方は様々ですが、近年特に注目を集めているのが「グラウンドトリック」、通称グラトリです。特別なジャンプ台がなくても、ゲレンデの緩やかな斜面や平地で繰り出せる手軽さが魅力で、ボードコントロール技術の向上はもちろん、自分のスタイルを表現する手段としても人気があります。

この記事では、そんなグラトリの世界に足を踏み入れたい、あるいはもっとスキルアップしたいと考えているスノーボードジャンキーの皆さんに向け、基本から応用まで、様々なグラトリの技を網羅的に紹介します。

「難しそう、自分にできるかな…」なんて心配は無用です。グラトリはパワーだけでなく、バランス感覚やボードの特性を理解することが重要。ポイントを押さえれば効率的に上達できます。

さあ、この記事を読んで、あなたのスノーボードライフに新たな刺激と楽しさを加えてみませんか?

※各トリックの詳細なハウツーはyoutubeを検索すると山ほど出てきますのでそちらをご覧ください。
 この記事は、グラトリの奥深さを理解してもらい、次の目標となる技を見つけてもらうための一覧表ですので文字による解説がメインです。動画のハウツーが素早すぎて頭に入ってこないようなタイプの方にはぴったり。複雑な動きのトリックも分解して文字で解説します。

グラトリの魅力とは?

グラトリのな魅力は、その手軽さ奥深さにあります。主な特徴は次の通り。

  • どこでも練習できる!:
    ドキドキしながらパークに入る必要なんてない!リフト乗り場までの緩斜面、コース脇のちょっとしたスペースなど、ゲレンデのあらゆる場所が練習場になります。
  • 上達が実感できる!:
    新しい技ができた時の達成感は格別!誰でもすぐにできるカンタンな技あり、複雑な動きが必要な奥深い技あり。夢中になって一つずつトリックをマスターしていくうちに、自然とボードコントロールが上達していくでしょう。
  • カッコいい!:
    フリーランの途中でさりげなくトリックを決める姿は、やっぱりカッコいいですよね。コース内という多くの人の目の前で、自分のスタイルを表現できます。
  • 低リスクで始めやすい:
    大きなキッカーを飛ぶようなエアトリックに比べ、スピード調整をしながら練習できるため、怪我のリスクを抑えながら始められます。

リフトの乗り降りでスムーズにスケーティングしたり、リフトから降りてサッと立ったままビンディングを装着したりするのも、実はグラトリに通じるボードコントロールの表れ。上級者のスマートな動きには、そんな基礎が詰まっているのです。

まずはここから!グラトリの基礎「プレス・オーリー・ノーリー」

どんな応用技も、しっかりとした基礎があってこそ。グラトリの土台となるのは「プレス」「オーリー」「ノーリー」の3つです。焦らず、これらの感覚を身体に覚え込ませましょう。

1. プレス

ボードのノーズ(先端)またはテール(後端)に重心を乗せ、板をしならせて反対側を浮かせるトリック。体重移動とバランスが鍵です。

  • ノーズプレス:
    前足荷重でテールを浮かせます。ポイントは、意識的に体の中心から前足側に重心をずらし、ノーズにしっかり体重をかけること。後ろ足で板をテール側に押し出すイメージを持つと、バランスが取りやすくなります。最初は止まった状態で、前足の小指側エッジで雪面を捉える感覚を掴みましょう。滑りながら行う場合は、少し大胆にノーズを体の真下に引き込む意識で。
    進行方向に向かって正面を向く(山側を背に、麓側を眼前に)→バックサイドノーズプレス(バックノーズ)、その逆をフロントサイドノーズプレス(フロントノーズ)と呼びます。後ろを向く形になるのでフロントノーズの方が断然難しい。バックとフロントの名称を間違えそうになるので注意。正面を向くのがバック。
  • テールプレス:
    後ろ足荷重でノーズを浮かせます。オーリーやスピンの起点にもなる重要な動き。ノーズプレス同様、テールを体の真下に引き込み、前足を軽く伸ばしてノーズ側を送り出すのがコツ。上半身は立て気味にし、両腕を広げるとバランスが取りやすいでしょう。後ろ足の小指側で雪面を捉えます。
    ノーズと同じくバックテール、フロントテールの2種類があります。
練習のヒント

「パタパタ」 をやってみよう!!!

平地でノーズプレスとテールプレスを交互に行い、ボードの両端をパタパタさせながら前進する練習(通称「パタパタ」)は、重心移動と板の反発つまり「板づかい」を感じるのに最適です。リズミカルに歩くような感覚でトライしてみましょう。慣れてくると、板の反発を使ってスムーズに進めるようになります。

2. オーリー

スノーボードのジャンプの基本。後ろ足でテールを踏み込み、板のしなり(反発)を利用して飛び上がります。

テールプレスの状態から、後ろ足でしっかりと雪面を押し、真上に軽く跳ねるイメージ。滑りながら行う場合は、上に飛ぼうとしすぎず、ボードにしっかり力を加えてしならせることを意識すると、安定して高さを出せます。

地形のちょっとした凹凸を利用してもOK。地形遊びでも大活躍する、あらゆる滑りの基本となる重要なテクニックです。

3. ノーリー

オーリーとは逆に、前足でノーズを踏み込み、その反発で飛び上がる技。キッカーではほとんど登場しない、グラトリ専用といっても過言ではない動きです。

オーリーよりもタイミングがやや難しいですが、マスターすればトリックの幅が広がります。前足にしっかり体重を乗せ、ノーズをしならせる感覚を掴みましょう。高回転スピンはノーリーの方がやりやすい場合も。

【基礎技 まとめ】

スクロールできます
トリック名主な重心ボード操作ポイント練習のコツ
ノーズプレス前足後ろ足でテールを押し出す前足小指側エッジで支える、ノーズを真下に引き込む止まってバランス感覚を養う
テールプレス後ろ足前足を伸ばしてノーズを送り出すテールを真下に引き込む、上半身を立てる滑りながら軽く跳ねて乗る
パタパタ前後交互ノーズ/テールを交互に浮かせるリズミカルに重心移動、板の反発を感じる平地で歩くように練習
オーリー後ろ足テールをしならせて跳ぶ後ろ足でしっかり踏み込む、板の反発を利用軽く真上に跳ねるイメージ
ノーリー前足ノーズをしならせて跳ぶ前足でしっかり踏み込む、ノーズの反発を利用オーリーよりタイミングがシビア

ステップアップ!回転系グラトリに挑戦

基礎ができたら、いよいよ回転技に挑戦です。最初は180度(半回転)から。

1. 180度回転

  • フロントサイド180 (FS180):
    進行方向、つまりお腹側に180度回る技。オーリーをしながら、上半身を回転方向に先行させ、視線も送ります。着地点が見えやすいので、比較的トライしやすいでしょう。
  • バックサイド180 (BS180):
    背中側に180度回る技。着地点が見えないため、難易度は上がりますが、マスターすればスタイルが出ます。
  • キャブ180 (Cab 180):
    スイッチスタンス(利き足と逆の足が前の状態)から通常のスタンスに戻る180度回転。ヒールターンからテール加重にオーリー(スイッチなのでノーズを使うんですが)し、自然な上半身の開きを利用して回ります。
  • スイッチバックサイド180:
    バックサイド180のスイッチ版。目線は足元を見るのがポイント。

2. 360度回転

180度が安定してきたら、360度(一回転)に挑戦。より強い回転力が必要になります。

  • フロントサイド360 (FS360):
    お腹側に一回転。回転力がつけば、着地が前向きになるため180度より簡単に感じる人も。
  • バックサイド360 (BS360):
    背中側に一回転。しっかりタメを作ってから回るのがコツ。
  • キャブ360 (Cab 360):
    スイッチからの一回転。ノーズピボット(ノーズを軸に回転)を意識するとスムーズ。
  • ノーリー360:
    ノーリーからの一回転。上半身の先行動作とノーズの踏み込み(エッジの引っ掛け具合)が重要。
  • スイッチバックサイド360:
    進行方向を見ずに一回転。上半身と下半身のひねりを利用します。
  • テールコンパス360:
    テールを軸にして回るスタイル系の360度。上半身の先行動作が鍵。
  • オーリーノーズピボット360:
    オーリーからノーズで着地し、そのままピボットで360度回転。

3. 回転系の練習のコツ

さらに上を目指すなら、540度(一回転半)、720度(二回転)といった高回転技もあります。これらは高いスキルとバランス感覚が要求されますが、成功した時の達成感は格別です。

回転系トリックのポイントは次の通り。回転数が増えれば増えるほど、すべての動作をより鋭く行います。

  • 先行動作:
    回転方向へ、まず目線と肩(上半身)を向けることが重要です。
  • タメ:
    回転前に体勢を低くし、力を溜める意識を持ちましょう。
  • 軸:
    回転中は体の軸を意識し、ブレないように。
  • 着地:
    衝撃を吸収できるよう、膝を柔らかく使います。回転力が強くなると着地でドライブしてしまいピタ着が難しくなってくるので、逆ひねりで回転をコントロールする動きが必要になります。

スタイルを出す!乗り系(プレス系)グラトリ

ジャンプだけでなく、板を雪面に滑らせながら独特の動きを見せるのが「乗り系」グラトリです。スムーズさとスタイリッシュさが魅力。

  • オーウェン (Owen):
    ノーズを軸にフロントサイド側(レギュラーなら反時計回り)に270度回転してフロントテールプレスの体勢→テールを弾きノーズに乗り換え→軽くノーズを弾きながら同じく反時計回りに270度回転してフェイキーで着地。
    コンパスのような回転とスタンスチェンジを組み合わせた技。上半身と下半身の捻転差(絞り)を利用してスムーズに繋げます。スタイルを出すためには見た目以上に奥が深いですが、マスターすれば応用範囲が広いトリックです。
  • コンパス (Compass):
    板の一部を雪面につけたまま軸にして回転する技の総称。
    • サシワン (ノーズオープンコンパス180°):
      テールを軸にノーズを持ち上げて180度回転。シンプルで覚えやすく、スイッチへの切り替えにも便利。
    • バックサイド360コンパス:
      ノーズを軸に360度回転。ゲレンデの段差などを利用するとやりやすい。
    • テールコンパス:
      テールを軸にした回転。上半身の先行動作で回転角度をコントロール。
  • ドライブスピン:
    カービングターンの遠心力を利用して雪面を滑りながらスピン。
  • リバースターン:
    カービングターンから一気に半回転しスイッチ状態でカービングを続ける技。
  • リワインド:
    上半身をフロントサイド方向(反時計回り)・下半身をバックサイド方向(時計回り)と逆方向にひねり、下半身が90度回った時点で若干キープしつつ戻す。レギュラーで始めたらレギュラーで着地する技。キッカーでいうシフティ。
    ノーリー→90度時点でテールタップしてその反動で戻す、弾かずノーズだけ90度時点でカチ上げて戻す、などいくつかバリエーションあり。
  • プレッツェル:
    イメージとしてはリワインドの戻しに180度回転をプラスする技。レギュラーで始めたらフェイキーで着地することになる。ノーズプレス・テールプレスのフィニッシュに組み合わされることが多い。
  • トチ:
    フロントサイドノーリー180+90度あたりでテールタップ。はじめのノーリーはしっかり高さを出す。ひねる・絞る動きはなく、テールタップ後もそのままフロントサイド(反時計)周り。コンボでの技と技の繋ぎやコンボの締めにも使われ、便利。
  • ギロチン:
    要は360度回転するのだが、分解するとノーリーフロントサイド180→フェイキー向きになりつつテールタップ気味に弾きもう180度返すというスタイルバキバキの技。はじめのノーリーは90度くらい回ってから弾いて回転力をつけ、テールタップ時(180度時点)には上半身は210度くらいまで先行させておく。これが「絞る」体勢となり、その力を解放する(上半身を軽く戻す)ことで下半身を一気に180度→360度までもっていくという理屈。
    ギロチンの名前の由来はその動きがギロチンっぽいからとか、転んだとき超痛いからとか諸説あり。

個性爆発!特殊系・名前付きグラトリ

複数の動きが特定のライダーが生み出したり、独特な動きを持つことから名前がついたトリックも多数存在します。これらをマスターすれば、ゲレンデで注目を集めること間違いなし?

  • ソネ360:
    ヒール側の軽いオーリーから板のしなりを使って弾むようにノーズへ乗り換え→ノーリーバックサイド360。乗り換えた際に上半身をバックサイド方向(時計回り)に先行させ、その「絞る」力を利用してノーズを弾き360回転。乗り換え時に体の軸をしっかりノーズに移しかつトゥ側を踏んでおく。これを怠ってヒール側に重心が残ったまま回転しだすと逆エッジで痛い目を見ます。
  • アンディ:
    180度ピボットを入れる回転力を活かすようにノーズで弾いて360(一回転)・540(一回転半)・720(二回転)といった高回転を狙う、スノーボード独自の動きを取り入れた革命的なトリック。軸移動が重要。
  • イチロー:
    180→ノーズプレス→360のコンボのこと。オープンでもバックサイドでも、レギュラーでもスイッチでも。合間のノーズプレスはほんのちょっとで、素早いボード捌きでリズム良く。
  • テリエ:
    180度ピボットで回転力をつけ、その後ノーズ(ピボットしたから後ろ側がノーズ)で弾き180度回転→テールプレス(ノーズは着地しない)状態でさらに180度回転→ノーズプレス(ノーズが後ろ側・前側のテールは着地しない)から180度回転、を続く限り続ける技。目線を送るとか回転とか色々あるが、何より筋力がモノを言う。
  • ハヤブサ:
    要はフロントサイド360だが、テールを引きつけソールを見せる、単なるフロントサイド360じゃない!感あふれるトリック。キッカーでやったらフロントサイド360テールグラブなんだが、グラトリでやろうとするとまず高いオーリーが必要・テールで弾くのにノーズ軸になる・後ろ足をたたんでテールを引きつけるなどやることが多く忙しい。
  • シモン:
    ノーリーフロントサイド180の途中に下半身逆ひねりでテールタップ。はじめのノーリーは高さは必要なく、90度回してから軽く弾く。上半身はそのまま反時計回りで後ろを向く(90度→180度を目指す)が下半身は時計回り程度で正面へ(90度→0度を目指す)。身体が絞れたところでタップして先行している上半身に下半身を追随させることで完成。ラントリ気味に高速でサラっとするとカッコイイ。

組み合わせで魅せる!複合グラトリ(コンボ)

グラトリの面白いところは、覚えた技を自由につなげて(コンボして)オリジナルの流れを作れること!たとえば次のようなコンボがああります。

  • バックサイド180 + オーウェン
  • ギロチン → シモン
  • ハヤブサ → プレッツェル
  • コンパス → ソネ → トチ

コンボは無限大。自分の得意な技を組み合わせたり、憧れのライダーの動きを真似したりしながら、オリジナルのルーティンを作り上げていくのもグラトリの醍醐味です。

上達するための近道【重要ポイント】

最後に、グラトリ初心者の皆さんが、安全に、そして確実に上達するための大切なポイントをまとめます。

  1. とにかく基礎!基礎!基礎!:
    何度も言いますが、プレス、オーリー、ノーリーが全ての土台です。地味でも、これらの練習に時間をかけることが、結局一番の近道になります。動画撮影して見返したりしながら、確実に身につけましょう。
  2. 安全な場所で、簡単なことから:
    最初は広くて緩やかな斜面で、周りに人がいないかよく確認してから練習しましょう。いきなり難しい技に挑戦せず、確実にできることを少しずつ増やしていくのが大切です。
  3. 板選びも意外と大事:
    グラトリをやるなら、柔らかめで、ノーズとテールが同じ形の「ツインチップ」の板が扱いやすいです。長さは、身長マイナス20cmくらいが目安。もし可能なら、試乗してみるのがベストですが、まずは今持っている板で基本練習を始めてみましょう。
  4. うまい人の動画を見る:
    YouTubeなどで「グラトリ 初心者」「グラトリ ハウツー」などと検索すれば、たくさんの参考動画が見つかります。動きをよく見て、イメージトレーニングするだけでも効果があります。
  5. 焦らない、無理しない、楽しむ!:
    グラトリは一日にして成らず。すぐにできなくても落ち込まず、自分のペースで楽しみながら続けることが一番大事です。疲れたら休む、転んだらしっかり安全確認。怪我をしないことが、長く楽しむ秘訣です。プロテクター(特にお尻パッドやヘルメット)があると安心感が違いますよ。

まとめ:グラトリでスノーボードをもっと楽しく!

グラトリは、特別な場所やアイテムがなくても、アイデア次第で無限に楽しめる奥深い世界です。基本をしっかりマスターし、色々な技に挑戦していくうちに、あなたのスノーボードスキルは格段に向上し、ゲレンデを滑るのが今まで以上に楽しくなるはず。

「難しそう…」と感じた技も、分解してみれば基本動作の組み合わせだったりします。焦らず、一つ一つクリアしていく達成感を味わいながら、自分だけのスタイルを見つけていってください。

この冬、グラトリに挑戦して、新しいスノーボードの楽しさを見つけましょう!


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